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東北・釜石の夜
五分沙汰しまして、東北へ行ってましたン、たんたかたン。
釜石の夜風が薄着の頭にささりこみ、眠気を吹き飛ばす。
安宿の硬いベッドにもぐりこんで悪夢を見るくらいならとおもてへ出た。
まあどうでもいい諦めと、捨てきらないほんの少しの期待。
宿の裏手が飲み屋街で、通称、のん兵衛横丁。トイレも共同のどぶ板通りだ。
東北・釜石の夜_e0148199_18584420.jpg
そいえば、渋谷の宮下公園横にもあって通ったな、とふらついていると歳の頃70をゆうに過ぎた女性が次々と声をかけてくる。客の気配はどの店も無い。
「かかし」とゆー店の戸をあけた。
東北・釜石の夜_e0148199_190735.jpg
40くらいのずんぐりした格好の女史が、あらっと声をあげた。
コチラのことをイロイロ聞かれる。関西?ううん四国。仕事?うん。
中学卒業して滋賀の紡績工場で住込みで働いたことや、しつこい電話がかかるのでお店の電話線を抜いていることや、こちらの客は遊びなれてなくて大変なこと。
この4坪の土地を50万で買って3年前に商売をはじめた。家賃だと月に2万円だそうだ。
フジタマコトにでもなった感じの北のマチの時間。
誰も来ない店で女史の人生の何割だろうか、のハナシを聞く。
食べてといろいろ出してくれる。
おでんやさんまやつけものやかわきもの。
寒さか、異国か、酒が違うテンポでゆっくりと体にはいってくる。
もう3時間近くになっていた。
入口が勢いよく開いた。風と一緒に酔っ払いのエネルギーが吹き込んできた。
酔っ払いの2人連れの中年男。
さ、こちらの中年男はそろそろ河岸を変えるわ、と言って立ち上がった。
えっもう、もっといてよ、お願いだから。
2000円の金子を置いて外へ出る。
また会いにくるから。
戸が閉まったのを確認し、小さく呟いた。
おお、さむっ。
by conranz | 2008-11-09 19:00 | ESSEY
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